「将来の夢は新郎」という男の子はいない

結婚式の業者ってヤクザだと思う。

この記事を読んで思うこと。

お色直しで1回ドレスを着替えるのに20万円かかることに「ちょっと高いな」と新郎がこぼしたところ、「愛してないの?」的なことを新婦に言われたという点が一番まずいところだと思う。

金のかけ方を愛情のパラメータにする考え方は破滅思考と大差ない

コメント欄に自分が感じたことを代弁してくれている人がいたので、引用させてもらった。

ブライダル業者がもちかける「一生一度の晴れ舞台ですから」という売り文句に、流されるがままにオプションをホイホイつけていくことで愛情深さが測れるのであれば、そんな愛などいらない。

「私のことを本当に愛しているなら20万くらいいいでしょ」なんて本当に新婦が思っているのなら、結婚後に始まる生活でも似たようなことが繰り返され、きっと苦労するだろうなと心底思う。

結婚式は「男性にとってはどうでも良いけど女性にとっては譲れない」という項目のオンパレード。
男性は結婚式に参加したら「お嫁さんきれい」「お嫁さんの友達かわいい」ぐらいの印象で終わるけど、女性はこと細かく全てを見てる。
Welcomeボード、受付の飾り付け、会場の雰囲気、卓上の花、食事、お酒、式次第、ドレス、アクセサリ 他にもたくさん。
「将来の夢はお嫁さん」という女の子はいるけど、「将来の夢は新郎」という男の子はいない。(ここでいう「お嫁さん」はウェディングドレスに身を包んだ自分のことね。)
「自分の結婚式はこうしたい」と女性は何回も何回も、子供の頃から何回もシミュレーションするけど、そんなことする男性は希少。

コメントにあった、「将来の夢はお嫁さんという女の子はいるけど、将来の夢は新郎という男の子はいない」というフレーズは印象的だ。35年生きてきたけれど、一度として聞いたことはないな、「将来の夢は新郎」って。

結婚式に対する価値観形成は、そもそも男女間でまったく違うのかもしれない。知人に聞いても、結婚式についてお互いの希望が合致したケースは聞いたことがない。だいたいどちらか(大概は新郎)が妥協して決まることが多いように見受けられる。

ブライダル業界人のコメントが真実を突いている

ヤクザでけっこう、詐欺師でけっこう

この記事を書いているのは、元記事で「ヤクザ」と評されているブライダル業界に勤めている人らしい。確証はないけれど、妙に納得いくことが書かれている。

例えば、そもそもブライダルは詐欺に近いと評してこう述べられている。

私はいわゆるブライダル業界の人間なので、ありのまま書いとこうね。
結婚式の金額の多寡でケンカするカップルはどっちも馬鹿。
だってブライダルって詐欺に近いもん。
いちにちの夢を提供するけどあとはさよならなので、
詐欺というより水商売に近いかもね。
>業者は女性の一世一度の晴れ舞台という弱みにつけこんでやりたい放題やっていると思う。
とあるけれど、
正直、そんなものに目がくらんでいるお嫁さんなんか、
ほんとおっしゃるとおりカモですよ。
こっちは予算が300万です、なんて言われたら、
頑張って290万にします!じゃなく、
頑張ったけど320万になっちゃいました!よろしく!
って言って、予算全額吐き出させんのが商売ですよ。
そうなのよ、商売なんですよ。

冠婚葬祭って、料金にベースがあって無いようなものなので、正直いくらでも安く済ませたり高く設定することができたりする。

「いかに冠婚葬祭業者の言うとおりにやらないか」が重要だと思うが、結婚であれば幸福指数は青天井だから、新郎新婦をうまく乗せれば高いプランにしたりオプションつけまくったりできるし、葬儀であればひとつひとつのプランをしっかり見定める心の余裕がないだろうから、口の上手い業者に組まれてしまうことになるんだろうな。

もちろんお客さんの「一生一度の晴れ舞台」を、心から祝福するような気持ちでプロデュースしている業者もいるとは思うけれど。

業者はブライダルという「商売」をしている

こっちは予算が300万です、なんて言われたら、頑張って290万にします!じゃなく、頑張ったけど320万になっちゃいました!よろしく!って言って、予算全額吐き出させんのが商売ですよ。

これが真実だと思うし、別に悪いことではないと思う。商売ってそんなもんだろうし。

これは、車や家といった一世一代の大勝負を行なう際にも、同じような現象が起こりやすい。支払う額が大きくなってくると、それなりの金額であるオプションを、たいして悩みもせずホイホイ付けてしまいがちだから。

家を買うときに「将来車を持つときのことを考えてガレージの屋根をつくっておいた方がいいのでは?」というススメを受け、50万円もする設置工事をカンタンに契約してしまったり。

「その設置工事、単体で話を受けたら契約していましたか?」と、自分に問うてみた方がいい。

基本的に業者は、親身になってくれていたとしても「商売」でやっているのだから、鵜呑みにしない方がいいのは当たり前。

「他にプランはあるのか」「他の業者に見積もりをとってみよう」「そもそもその金額があれば別のことができるけど、本当に今必要か」といった具合に、広い視野でものごとを捉えた方がいいということなんだろう。

冒頭の新婦は業者におだてられるがままに、視野狭窄に陥っているように見える。いかに幸せなイベントの真っ最中だとしても、冷静に判断できるようにしたいとつくづく思う。

Photo by Scott Walsh on Unsplash